特集 骨髄腫と類縁疾患―全身をみわたす診断・治療
骨髄腫類縁疾患の診断と治療
原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫
和泉 透
1
1国立病院機構仙台医療センター 血液内科
キーワード:
MYD88遺伝子変異
,
CXCR4遺伝子変異
,
tirabrutinib
Keyword:
MYD88遺伝子変異
,
CXCR4遺伝子変異
,
tirabrutinib
pp.783-786
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_783
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Summary
▪原発性マクログロブリン血症(WM)は,リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)のうちIgM型M蛋白血症を伴うものである.
▪WM/LPLの経過はほとんどが緩徐であり,無症状の場合は治療介入を行わず経過観察を行うのが望ましい.
▪希少疾患であるため,治療方針は確立されていない部分が多いが,過粘稠度症候群を認める場合は血漿交換を行う.
▪治療薬として本邦ではrituximab,bendamustine,bortezomibなどが使用可能であるが,患者の状態などを加味して治療を検討すべきである.
▪近年の網羅的遺伝子解析より,約90%の症例でMYD88遺伝子変異が認められる.
▪最近ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬のtirabrutinibが保険適用となり,その有用性が期待されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2022