特集 リンパ腫診療―診断の入り口から治療まで
各病理組織型のリンパ腫の治療
中枢神経原発リンパ腫
近藤 英生
1
1川崎医科大学血液内科学
キーワード:
中枢神経原発リンパ腫
,
自家幹細胞移植併用大量化学療法
,
thiotepa
,
tirabrutinib
Keyword:
中枢神経原発リンパ腫
,
自家幹細胞移植併用大量化学療法
,
thiotepa
,
tirabrutinib
pp.245-249
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_245
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Summary
▪中枢神経原発リンパ腫(PCNSL)の治療は,長らく大量methotrexate療法(HD-MTX)+全脳照射(WBRT)が標準とされてきたが,高齢者では白質脳症による認知機能低下が高率に起こるのに加え,完全寛解例でも再発は必至であった.
▪現在では,HD-MTXを基盤とした併用化学療法により寛解を目指し,地固め療法として症例に応じて自家幹細胞移植併用大量化学療法や線量を減らしたWBRTなどを行うことが推奨されている.
▪昨年,難治・再発例に対してBTK阻害薬tirabrutinibが保険適用となり,新たな選択肢となった.
▪これらの進展により,治療成績の改善が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2021