特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第7章:膠原病
アナフィラキシーへの対応で,投与法,投与量のミスなども報道されて心配です.どのような患者に起きやすいか,症状や一般内科医でもできる具体的な対応法について教えてください.
志賀 隆
1
1国際医療福祉大学 救急科
pp.574-576
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_574
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
お答えします 喘息,慢性閉塞性肺疾患(COPD),虚血性心疾患の方は重症化しやすいです.基本的には,① 蕁麻疹に加えて,② 呼吸器症状(呼吸困難,喘鳴(とくにストライダー),低酸素など),③ 循環器症状(低血圧や失神,尿や便の失禁,筋力の低下による虚脱など),④ 消化器症状(持続的な腹痛や嘔吐など)のうち,②~④のいずれかがあると診断は容易です.しかしながら,薬剤や食物など可能性の高いアレルゲンへの曝露後に①~④のうち二つ以上があれば診断となります.また,アレルゲンの曝露後に③単独でも収縮期血圧が90 mmhgを下回ったり普段の30%を超えて低下していれば診断となります1).対応法としてはadrenaline 0.3mg筋注を行います.
© Nankodo Co., Ltd., 2022