特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第7章:膠原病
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症はさまざまな病像を呈すると聞いたのですが,この病気を見逃さないためにどのような症候に気をつけたらよいでしょうか?
津野 宏隆
1
1相模原病院 リウマチ科
pp.570-573
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_570
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お答えします 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は,気管支喘息やアレルギー性鼻炎を基礎疾患にもつ患者において,好酸球が異常に増加して小血管に炎症を起こし,臓器機能障害を生じる全身性の血管炎です.持病の喘息や鼻炎などが悪化し,発熱,手足のしびれ(末梢神経障害),皮疹(紫斑など),多発する肺の浸潤影などがみられるのが典型的な病像です.採血では好酸球の増多,CRPや抗好中球細胞質抗体(MPO-ANCA)の上昇などがみられますが,MPO-ANCAはEGPA患者の半数程度でしか陽性とならず,診断には病歴や臨床症状の典型例を押さえておくことが重要です.
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