特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
ここまで進んだ膵がん早期診断
膵がん診断を目的とした膵囊胞性病変患者に対するサーベイランス
大野 栄三郎
1,2
,
石川 卓哉
1,2
,
水谷 泰之
1,2
,
飯田 忠
1,2
,
川嶋 啓揮
1,2
1名古屋大学大学院 医学系研究科消化器内科
2名古屋大学医学部附属病院 光学医療診療部
キーワード:
サーベイランス
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
,
膵囊胞
,
膵発がん
Keyword:
サーベイランス
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
,
膵囊胞
,
膵発がん
pp.55-59
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_55
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Summary
▪膵がんの早期診断を目的として膵がん高リスク患者を対象としたサーベイランスが近年注目されている.膵囊胞性病変,とくに腫瘍性囊胞である膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は病変自身の悪性化に加え通常型膵がんの危険因子であり,定期的な経過観察が推奨されている.
▪これまでの分枝型IPMNを対象とした観察研究の結果からは,IPMNの悪性化率は経時的に上昇し,IPMN由来がんと通常型膵がん発生を含む膵がんの危険因子と報告されているが,膵囊胞患者における悪性化予測因子についてはまだエビデンスが少ない.そのため,より効率的な膵がん拾い上げを目的として,膵囊胞の形態や経時変化,囊胞以外の背景膵所見による悪性化リスクの層別化の試みがなされている.
© Nankodo Co., Ltd., 2022