特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
ここまで進んだ膵がん早期診断
糖尿病に着目した膵がん診断
水野 卓
1
,
中井 陽介
1
,
藤城 光弘
1
1東京大学 消化器内科
キーワード:
膵がん
,
スクリーニング
,
糖尿病
,
早期診断
Keyword:
膵がん
,
スクリーニング
,
糖尿病
,
早期診断
pp.61-63
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_61
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Summary
▪膵がんは予後不良であり,無症状の高危険群を対象としたスクリーニングが必要とされている.
▪糖尿病は膵がんの危険因子であると同時に,膵がんの症状の一つの表れである.
▪膵がんの症状としての糖尿病は膵がん診断の1~2年以内に診断される新規発症糖尿病である.
▪新規発症糖尿病のほうが長期罹患糖尿病よりも膵がん診断の相対危険度が高い.
▪新規発症糖尿病患者のなかからさらに高危険群を絞り込むことが必要である.
▪近年,臨床情報を用いて高危険群を絞り込むためのENDPACモデルというスコアリングシステムが報告された.
▪長期罹患糖尿病患者においては,血糖コントロールの悪化と体重減少が膵がん診断の1年前にみられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022