特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第1章:循環器
左室駆出率の保たれた心不全の診断と治療はどのようにしたらよいでしょうか?
奥村 貴裕
1
1名古屋大学医学部附属病院 重症心不全治療センター
pp.355-358
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_355
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
お答えします 左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)の病態は,心不全症状を有すること,左室駆出率が正常もしくは保たれること,拡張障害を有することをその特徴とします.拡張障害の評価には,通常,心エコー図検査が用いられます.HFpEFの診断では,H2FPEFスコアや運動負荷心エコー図検査も注目されています.いまだ有効な治療薬は確立しておらず,うっ血に対する利尿薬と併存症の治療が推奨されていますが,近年,one-size-fits-all approachとしてのSGLT2阻害薬の有用性が報告され,HFpEF治療薬として期待されています.
© Nankodo Co., Ltd., 2022