臨床医からの質問に答える
左室駆出率がいくつも書いてあるが,どれを信用したらよいですか?
杉本 邦彦
1
1藤田保健衛生大学病院臨床検査部
pp.301-304
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103901
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はじめに
本稿のタイトルでもある「左室駆出率がいくつも書いてあるが,どれを信用したらよいですか?」と全く同じ質問を数年前に受けたことがある.確かにその当時のレポートには,胸骨左縁左室長軸像にて左室径を計測し,Teichholz法により求めた左室駆出率(ejection fraction,EF),bp-Simpson法から求めたEF,視覚的EFの3種類のEF値を記載していた.その当時は何も考えず,米国心エコー図学会で推奨されている1)という理由から「bp-Simpson法によるEFを信用してください」と答えた.果たしてその回答は正しかったのであろうか? 今となっては疑問に思う.本稿では,各々の計測法についての利点や問題点などを考えながら,この問いに対する回答を考えていきたいと思う.
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