特集 老年栄養―高齢者の低栄養,フレイル,サルコペニア
座談会
在宅要介護高齢者の栄養問題にどのように関わるか
前田 圭介
1
,
佐々木 淳
2
,
真壁 昇
3
,
永野 彩乃
4
1国立長寿医療研究センター老年内科
2医療法人社団悠翔会
3関西電力病院疾患栄養治療センター
4西宮協立脳神経外科病院看護部
pp.287-294
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_287
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前田 本邦では “栄養=食事” と捉えられることが多いですが,栄養問題には食事以外の多くの要素が含まれます.たとえば,がんや慢性炎症性疾患の患者さんでは悪液質,炎症のない疾患関連低栄養の患者さんでは摂食嚥下障害,高齢者ではフレイルやサルコペニア,食事を経口摂取できない患者さんには人工栄養導入の是非やその意思決定支援に関わるアドバンス・ケア・プランニングまでもが含まれます.また,在宅患者さんでは食べることを疎かにさせる地理,住環境,金銭面などの環境的な要素も栄養問題の一つです.栄養は生きるために欠かせないものなので,われわれ医療者がさまざまな栄養問題とどのように関わっていくかは重要な課題となっています.
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