特集 緊急対応を要する循環器疾患
特別な背景を有する状態
薬剤投与に関連した緊急対応を必要とする状態
木田 圭亮
1
,
松田 迪
2
1聖マリアンナ医科大学 薬理学
2聖マリアンナ医科大学 循環器内科
キーワード:
催不整脈作用
,
QT延長
,
がん治療関連心機能障害(CTRCD)
,
免疫関連有害事象(irAE)
Keyword:
催不整脈作用
,
QT延長
,
がん治療関連心機能障害(CTRCD)
,
免疫関連有害事象(irAE)
pp.407-410
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_407
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Summary
▪緊急事態を要する循環器疾患のうち,薬剤投与に関連するものとして,抗不整脈薬による催不整脈作用が以前から有名である.
▪薬剤性の二次性QT延長による重症不整脈,さらに電解質異常,とくにKに影響する薬剤の存在も大きい.
▪急性心不全の原因として,陰性変力作用のある抗不整脈薬や抗がん薬による薬剤性心筋症も少なくない.
▪急性肺血栓塞栓症や急性動脈閉塞の原因では,血液凝固能の亢進をきたす経口避妊薬やエストロゲン製剤も必ず確認すべき薬剤である.
▪一方,最近注目されているのが,急性心筋炎の原因としての免疫チェックポイント阻害薬であり,発生頻度は低いものの,致死率が高いことなどが知られている.
© Nankodo Co., Ltd., 2022