集中講座 評価法の使い方 シリーズ2 各論③・第15回
高齢者疾患
海老原 覚
1
,
鈴木 孝彦
1
,
佐藤 直文
1
Satoru Ebihara
1
,
Takahiko Suzuki
1
,
Naofumi Sato
1
1東邦大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座
キーワード:
フレイル
,
サルコペニア
,
DASC-8
Keyword:
フレイル
,
サルコペニア
,
DASC-8
pp.303-305
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202182
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はじめに
2020年の日本の高齢化率は28%を超えた.それに伴い,医療を受ける国民の多くが65歳以上の高齢者である.高齢者は病気や障害以外にも生理的な老化により身体機能・高次脳機能が低下する.それを評価することは重要である.また,高齢者は脳卒中などの動脈硬化性疾患,心不全,糖尿病性腎症を来しやすく,認知機能障害,認知症,フレイル,サルコペニア,activities of daily living(ADL)低下,転倒,うつ状態などの老年症候群の合併頻度が高い.さらに社会サポート不足や経済状況の問題から,介護保険などの社会サービスを必要とすることが少なくない.したがって高齢者の診療にあたっては,多職種で ① 身体機能(ADL,フレイル,サルコペニア),② 認知機能,③ 心理状態,④ 栄養状態,⑤ 薬剤,⑥ 社会・経済状況を評価する高齢者総合機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment;CGA)を行うことが重要である.CGAで得られた情報に基づき,治療や療養指導の計画を立てるとともに,運動療法(またはリハビリテーション),栄養サポート,安全な薬物療法,介護保険などの社会サービスの導入などを行う.
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