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現時点では,大規模なランダム化比較試験により造血幹細胞移植が標準的治療法として確立し,実地医療での実施が許容されるのは,救援化学療法に感受性がある初回再発のHodgkinリンパ腫と再発aggressive非Hodgkinリンパ腫の2つの疾患群に限られる.初発Hodgkinリンパ腫(すべての病期,すべてのリスク群)には移植療法の適応はなく,実施してはいけない.救援化学療法に感受性(部分奏効以上の効果)がある初回再発Hodgkinリンパ腫(65歳まで)には,自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法が標準的治療である.aggressive非Hodgkinリンパ腫(とくに,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)の初発低リスク群(low risk,low-intermediate risk)には,移植療法の適応はなく,実施してはいけない.aggressive非Hodgkinリンパ腫(とくに,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)の初発高リスク群(high risk,high-intermediate risk)には,自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法は,臨床試験の枠組みでの実施は推奨される(実地医療としては許容されない).救援化学療法に感受性(部分奏効以上の効果)がある再発aggressive非Hodgkinリンパ腫(65歳まで)には,自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法が標準的治療である.初発濾胞性リンパ腫には,進行期であっても移植療法の適応はなく,実施してはいけない.再発進行期濾胞性リンパ腫に対しては,自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法は,臨床試験の枠組みでの実施は推奨される(実地医療としては許容されない).自家移植後の再発症例に対しては,ミニ移植による同種造血幹細胞移植も治療のオプションとして,臨床試験の枠組みでの実施として許容される(実地医療としては許容されない)
©Nankodo Co., Ltd., 2006