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Secondary Publication
二次出版:同種造血幹細胞移植を受けた血液腫瘍患者に対する移植前リハビリテーションと移植後在院日数との関係
Pre-transplant Rehabilitation to Decrease the Post-transplant Length of Stay for Hematological Malignancy Patients Undergoing Allo-HSCT
松垣 竜太郎
1
,
大谷 誠
2
,
峰 悠子
1
,
佐伯 覚
3
,
伏見 清秀
4
,
松田 晋哉
1
1産業医科大学医学部公衆衛生学講座
2産業医科大学情報管理センター
3産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座
4東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療政策情報学
キーワード:
同種造血幹細胞移植
,
血液腫瘍
,
在院日数
,
移植前リハビリテーション
Keyword:
同種造血幹細胞移植
,
血液腫瘍
,
在院日数
,
移植前リハビリテーション
pp.810-818
発行日 2023年9月18日
Published Date 2023/9/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨 目的:同種造血幹細胞移植を受ける血液腫瘍患者に対する移植前リハビリテーションの有効性は示されているが,移植前リハビリテーションが移植後在院日数に及ぼす影響は不明である.本研究の目的は同種造血幹細胞移植を受ける血液腫瘍患者における移植前リハビリテーションと移植後在院日数の関係を明らかにすることである.
方法:本研究は診断群分類包括評価(Diagnosis Procedure Combination)データを使用した観察研究である.対象は2014年4月〜2017年3月に対象病院を退院した血液腫瘍患者のうち,入院中に同種造血幹細胞移植およびリハビリテーションを受けた者である.血液腫瘍患者はICD-10コード(C81-85,C90-94,C96,D46)を用いて特定した.統計解析には被説明変数を移植後在院日数(自然対数変換)としたマルチレベル線型回帰分析を用いた.
結果:本研究には3614名の血液腫瘍患者が取り込まれた.移植後在院日数は移植前リハビリテーション無し群と比較して,移植前リハビリテーション有り群で有意に短く(平均74.2 vs. 90.2日,p<0.001),マルチレベル線型回帰分析の結果,移植前リハビリテーションは移植後在院日数の短さと有意に関連していた(β=−0.134,p<0.001).
結論:造血幹細胞移植を受ける血液腫瘍患者に対する移植前リハビリテーションは移植後在院日数の短縮に寄与する可能性がある.そのため,造血幹細胞移植を受ける血液腫瘍患者に対しては移植前からリハビリテーションを開始することを考慮する必要がある.
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