特集 リンパ腫診療―診断の入り口から治療まで
Overview
リンパ腫の発症機序
鈴木 律朗
1
1島根大学医学部血液・腫瘍内科
キーワード:
点突然変異
,
遺伝子転座
,
転写制御異常
,
キメラ遺伝子
Keyword:
点突然変異
,
遺伝子転座
,
転写制御異常
,
キメラ遺伝子
pp.181-188
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_181
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Summary
▪リンパ腫の発症機序には,遺伝子の異常が第一義的に関わっている.
▪かつては,宿主・環境・外来微生物が悪性腫瘍の三大要因といわれていたが,そのいずれもが腫瘍細胞における遺伝子の異常に帰することができる.
▪全ゲノム・全エクソーム解析などのハイスループット解析技術の進歩により,近年では点突然変異などの遺伝子変異が次々に同定されてきている.
▪遺伝子転座と異なり病型横断的な異常も多いが一部は病型特異的であり,遺伝子変異解析は病型診断の補助ツールになりつつある.
▪こうした変異を標的にした治療薬の開発も進んでおり,発症機序の探索の重要性は以前より増している.
© Nankodo Co., Ltd., 2021