変わりゆくリンパ腫の診断と治療-一般外来での初発症状から最新治療まで
リンパ腫発症の機序
鈴木 律朗
1
1島根大学医学部附属病院 腫瘍・血液内科
キーワード:
ウイルス遺伝子
,
遺伝子発現調節
,
転座
,
白血病リンパ腫-成人T細胞性
,
リンパ腫
,
点変異
,
融合癌遺伝子タンパク質
,
リンパ腫-辺縁帯B細胞性
,
Epstein-Barrウイルス感染症
Keyword:
Gene Expression Regulation
,
Genes, Viral
,
Lymphoma
,
Leukemia-Lymphoma, Adult T-Cell
,
Translocation, Genetic
,
Oncogene Proteins, Fusion
,
Point Mutation
,
Lymphoma, B-Cell, Marginal Zone
,
Epstein-Barr Virus Infections
pp.1271-1277
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016244766
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リンパ腫の発症機序には,遺伝子の異常が第一義的に関わっている.宿主・環境・外来微生物が悪性腫瘍の3大要因といわれるが,そのいずれもが腫瘍細胞における遺伝子の異常に帰することができる.リンパ腫の場合は白血病と並んで,遺伝子異常のなかでも遺伝子転座が主要因とされてきた.全ゲノム・全エクソーム解析などのハイスループット解析技術の進歩により,近年では点突然変異などの遺伝子変異が次々に同定されてきている.遺伝子転座と異なり病型横断的な異常も多いが一部は病型特異的であり,遺伝子変異解析は病型診断の補助ツールになりつつある.
©Nankodo Co., Ltd., 2016