特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第5章 感染症
感染性心内膜炎
黒田 浩一
1
1神戸市立医療センター中央市民病院感染症科
pp.730-732
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_730
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感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)は,弁膜や心内膜,大血管内膜に疣贅(vegetation)を形成し,持続菌血症・血管塞栓・心不全などの多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患であり,年間10万人当たり3~7人に発生する比較的まれな感染症である1,2).症状は,発熱が最も頻度が高く(90%以上),そのほか悪寒,食欲低下,体重減少,倦怠感,頭痛,関節痛など非特異的なものが多いため,症状のみでIEの可能性を想起することは難しい.
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