特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第3章 腎臓
腎硬化症
武田 真一
1
,
長田 太助
1
1自治医科大学内科学講座腎臓内科学部門
pp.639-642
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_639
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腎硬化症(nephrosclerosis)とは,歴史的には病理学的知見に端を発するが,現代においては高血圧を背景とした臨床病名として用いられることが多い.“高血圧性腎硬化症” と,高血圧との関連性を明記する用語も頻用されており,こうした疾患概念を基に解説する.
本邦の透析導入患者の原疾患割合1)は,かつて圧倒的な第1位であった慢性糸球体腎炎を,1998年に糖尿病性腎症が上回って久しい.ところが,両疾患ともその割合が減少する一方で,腎硬化症は著しい増加を呈し,2019年には慢性糸球体腎炎を抜いて第2位(16.4%)となった.
© Nankodo Co., Ltd., 2021