特集 日常診療で診るCKD―乗り遅れないための最新情報
CKDの原疾患
高血圧性腎硬化症・腎動脈狭窄症
伊藤 孝史
1
1帝京大学ちば総合医療センター第三内科(腎臓内科)
キーワード:
高血圧性腎硬化症
,
良性腎硬化症
,
腎動脈狭窄症
,
腎血管性高血圧
,
腎動脈超音波検査
Keyword:
高血圧性腎硬化症
,
良性腎硬化症
,
腎動脈狭窄症
,
腎血管性高血圧
,
腎動脈超音波検査
pp.551-554
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000780
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Headline
・高血圧性腎硬化症は腎機能障害以外に特異的な診断手段に乏しいことから,軽症例が見逃されていることも考えられ,2019年に慢性糸球体腎炎に代わって新規透析導入原疾患の第2位となって以降,持続的に増加している.
・高血圧性腎硬化症の明確な診断基準はなく,臨床的には高血圧歴を有し,血尿を認めず,尿蛋白が高度ではない,さらに糖尿病や原発性あるいは二次性の糸球体腎炎の合併を認めない腎機能低下症例を高血圧性腎硬化症として診断することが多い.
・腎動脈狭窄症に基づく腎血管性高血圧は,高血圧全体の1%を占め,二次性高血圧のなかでも頻度が高く,スクリーニング検査として腎動脈超音波検査をまず行い,次のステップで単純MRA,CT血管造影,ガドリニウム造影MRAを実施する.これらの検査で診断に至らない場合や血管形成術の適応を検討する場合には,選択的腎動脈造影検査を行う.
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