特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第2章 消化器
慢性膵炎
入澤 篤志
1
,
山宮 知
1
,
星 恒輝
1
1獨協医科大学医学部内科学(消化器)講座
pp.593-595
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_593
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診断基準
慢性膵炎は,膵臓の内部に不規則な線維化,細胞浸潤,実質の脱落,肉芽組織などの慢性炎症が生じ,膵臓の外分泌・内分泌機能の低下を伴う病態である.近年,慢性膵炎の発症から進展のメカニズムが機械論的に論じられるようになり,Whitcombら1)は「mechanistic definition」とよばれる新しい慢性膵炎の発症進展に関わる考え方を示した.これは,危険因子を有する個人が,急性膵炎を繰り返すことで膵臓の機械的障害が持続的に起こり,早期慢性膵炎を経て慢性膵炎確診例にいたるという考え方である.この考え方を基とし,このたび10年ぶりに慢性膵炎臨床診断基準が改訂された(「慢性膵炎臨床診断基準2019」)2).
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