疾患と検査値の推移
慢性膵炎
佐久間 文
1
,
入澤 篤志
1
1獨協医科大学医学部内科学(消化器)講座
pp.620-627
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208713
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Point
●慢性膵炎は上腹部痛や背部痛を主訴とし,長い年月をかけて膵臓の線維化が進行する疾患である.非代償期では内分泌機能低下による糖尿病や,外分泌機能低下による消化吸収障害や下痢が生じる.
●慢性膵炎の診断は,特徴的な画像所見や膵酵素異常などの検査所見,腹痛などの臨床症候の組み合わせから行う.
●BT-PABA試験はわが国で施行可能な膵外分泌機能の評価法であるが,薬剤や合併疾患により異常値を呈することがあり,膵疾患に特異的ではないことに留意する.
●慢性膵炎は膵発癌のリスク因子であり,血液検査や画像検査などで注意深く経過観察する必要がある.
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