特集 慢性膵炎―ガイドライン改訂に向けて
5.慢性膵炎の診断(2)超音波診断,超音波内視鏡診断
入澤 篤志
1
,
星 恒輝
1
,
山部 茜子
1
,
井澤 直哉
1
,
瀧本 洋一
1
,
山宮 知
1
,
永島 一憲
1
,
水口 貴仁
1
,
常見 美佐子
1
1獨協医科大学内科学(消化器)講座
キーワード:
慢性膵炎
,
腹部超音波検査
,
超音波内視鏡検査
Keyword:
慢性膵炎
,
腹部超音波検査
,
超音波内視鏡検査
pp.1337-1344
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001350
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膵疾患診断における超音波検査の意義は大きく,スクリーニングとしての腹部超音波検査(US)から精密検査としての超音波内視鏡検査(EUS)まで幅広く施行されている.慢性膵炎診断におけるUS の主たる役割は,慢性膵炎確診・準確診の診断に限られるが,膵実質の分葉状エコーや膵管異常などを拾い上げることで,早期慢性膵炎診断に繫がることも少なくない.一方,EUS は高解像度で至近距離から膵臓を観察できるため,膵実質や膵管における慢性膵炎早期の変化を捉えることが可能である.「慢性膵炎臨床診断基準2019」では早期慢性膵炎のEUS 所見として,① 点状または索状高エコー,② 分葉エコー,③ 主膵管境界高エコー,④ 分枝膵管拡張,の4 項目が設定されており,EUS は慢性膵炎早期の診断に重要な役割を果たす.また,慢性膵炎のEUS 診断基準であるRosemontclassification を用いることで重症度や病期の判定にも役立つ.US/EUS の役割を十分に理解し実践することは,効果的な慢性膵炎診療においてきわめて重要である.
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