特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第2章 消化器
慢性便秘症
富田 寿彦
1
,
三輪 洋人
1
1兵庫医科大学内視鏡センター/消化器内科学
pp.572-574
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_572
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診断基準
慢性便秘症は,病院や診療所あるいは診療科にかかわらず,遭遇するcommon diseaseであり,著しく患者の日常生活や労働生産性を損ない,QOLを低下させることが知られているため,迅速かつ適切に治療すべき疾患である1,2).これまでの本邦での便秘診断は,排便回数の減少や排便間隔の乱れ,あるいは便の固さや排便困難感・残便感などの便秘に関連する腹部症状から,多くの医師が自身の経験則に基づいて診断をしており,明確な定義に基づいて診断されているケースは少ないと考える.実際,日本内科学会や日本消化器病学会など複数の学会が便秘に関して独自の基準を提唱している(表1).
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