特集 糖尿病診療2021:日常的に包括的診療を行うために
合併症
大血管症・心血管疾患アップデート
-エビデンスに洗練されていく21世紀の生活習慣病薬物治療
清末 有宏
1
1東京大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
Steno-2試験
,
多因子介入
,
心血管アウトカム試験
,
検査前確率
Keyword:
Steno-2試験
,
多因子介入
,
心血管アウトカム試験
,
検査前確率
pp.435-439
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_435
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪糖尿病診療において包括的診療の有用性を示したSteno-2試験の介入期間から20年が過ぎ,21世紀に入ってから次々と新規薬物治療薬による心血管アウトカム試験結果が報告されている.
▪とくに脂質治療・糖尿病治療に関してそれらのエビデンスを考慮した薬物治療選択を行うことにより,患者はSteno-2試験の厳格治療群以上の心血管イベント抑制効果の恩恵を受けることができる可能性がある.
▪日常診療においてはランダム化比較試験(RCT)と異なり,薬物治療選択以外にスクリーニング検査を行うことで発症予防を目指すことも可能である.
▪ガイドラインを参考にすると,詳細な病歴聴取による検査前確率の推定に基づいた検査計画法の決定が重要で,そのなかでも運動負荷心電図は費用対効果が高いことが知られている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021