Book Review
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020
黒澤 一
1
1東北大学大学院医学系研究科産業医学分野 教授
pp.382-382
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_382
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- 文献概要
英国のチャールズ・ディケンズの小説『The Pickwick Papers』の主人公の名前を冠したPickwick症候群などを嚆矢として,1983年の米国報告書 “Wake up America”,2003年の山陽新幹線居眠り運転事故のニュースなどを経て,睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)はわが国においても一大疾患概念として注目されるようになっている.厚生労働省の統計によると,わが国の患者数は約50万人に達している.実際には,さらに多くの潜在患者がいるであろう.SASには,多彩な背景疾患,あるいは合併症や併存症の存在,疾患の社会的影響が知られる.多くの診療科や職種を巻き込む学際的なチーム医療としての患者管理が求められる.SASの管理は交通機関運転手の労働衛生などにも不可欠となっており,社会的にも行政や企業等との接点を生む.さらに,SASの研究や検査診療機器は日進月歩の進化があり,常に知識や情報をupdateしておかなければならない.
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