特集 頭痛・めまい・しびれ・疼痛―慢性化のメカニズムと治療
しびれ・疼痛
《しびれ・疼痛の一般的病態と慢性化のメカニズム》
末梢神経障害に由来する慢性疼痛の病態
馬場 正之
1
1青森県立中央病院脳神経内科
キーワード:
末梢神経障害
,
しびれ
,
Naチャネル
,
Caチャネル
Keyword:
末梢神経障害
,
しびれ
,
Naチャネル
,
Caチャネル
pp.1297-1300
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1297
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Summary
▪慢性疼痛とは3~6ヵ月以上持続する疼痛を指す.
▪末梢神経起源の疼痛を末梢神経障害性疼痛(PNP)とよぶ.
▪チクチク,ピリピリなどのしびれ症状は軽いPNPとみなされる.
▪本邦PNP患者数は約300万人と推定される.
▪PNP発生には痛覚神経線維終末部と末梢神経幹,脊髄後角シナプス機能変化が関係する.
▪痛覚神経線維終末部では,反復性侵害刺激が痛覚受容器感受性増加(感作)を誘導する.
▪末梢神経幹レベルでは,軸索膜の電位依存性Naチャネルの機能異常,触覚線維や自律神経線維と痛覚線維間の交差伝導,神経虚血,慢性炎症がPNP発生に関与する.
▪脊髄後角痛覚シナプスでは,前膜α2δ-Caチャネル過剰発現がPNP発生要因になる.
▪代謝・中毒疾患では下行抑制系神経線維変性がPNP慢性化に関わる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021