特集 内科臨床と性差
特集のねらい
-内科臨床と性差
木村 琢磨
1,2
1埼玉医科大学総合診療内科
2HAPPINESS館クリニック
キーワード:
性差
,
ジェンダー
,
内科医
,
労働環境
,
男女共同参画
Keyword:
性差
,
ジェンダー
,
内科医
,
労働環境
,
男女共同参画
pp.1024-1026
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1024
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近年,わが国においても,性差あるいはジェンダーに関して取り上げられることが多くなり,これは医学界にも影響を及ぼしている.従来,医学においては,ややもすれば性差を生殖機能や解剖生理学的な側面(sex difference)で捉えることが多かったように思われるが,欧米では社会への影響を踏まえた性別差(gender difference)も考慮した性差医療(gender sensitive medicine)として,心身はもちろん,臨床的な多くの側面から “性差” が捉えられてきた.
わが国においては,2001年,鹿児島大学にわが国初の「女性専用外来」(鄭 忠和先生)が創設され,2002年には特定非営利活動法人性差医療情報ネットワーク(理事長:天野惠子先生)が設立され,2004年に発足した「性差医療・性差医学研究会」(代表世話人:天野惠子先生)は2008年,「日本性差医学・医療学会」(初代理事長:鄭 忠和先生)へ発展した1~3).わが国の性差医療には20年間にわたる臨床と教育・学術活動の歴史がある.
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