特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第10章 代謝・内分泌
メタボリックシンドローム・肥満症
岡本 芳久
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)横浜保土ケ谷中央病院糖尿病内科
pp.1005-1008
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1005
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診断基準
1.メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームは,内臓脂肪の過剰蓄積を基盤とし,糖代謝異常,脂質代謝異常,高血圧のリスクファクターが個体に集積した動脈硬化性心血管病の易発症状態を指す.糖代謝異常,脂質代謝異常,高血圧は頻度が高い基礎疾患であり,旧来の予防医学ではこれらを独立した動脈硬化性疾患の単一リスクとして捉え,各々への対策がとられていた.しかし,1980年代後半になり,軽度ながら同一個体にこれらのリスクを複数合併する病態が臨床的に注目され,シンドロームX,死の四重奏,インスリン抵抗性症候群,内臓脂肪症候群として提唱されるようになった.
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