特集 便秘・下痢―医師必見のUp-to-Date 2020
慢性便秘症の治療
下剤の長期乱用の問題点とその対処法
松生 恒夫
1
1松生クリニック
キーワード:
下剤乱用
,
下剤依存
,
慢性便秘症
Keyword:
下剤乱用
,
下剤依存
,
慢性便秘症
pp.95-97
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_95
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Summary
▪下剤乱用は,頑固な慢性便秘症の改善や美容目的,痩身願望により下剤を大量または長期間服用してしまう状態で,比較的若い女性に多く認められる病態である.最初は常用量の下剤服用から始まり,「明日排便がなかったらどうしよう」「食べすぎているので排出させないと体重が増加してしまう」などの不安感から次第に服用量が増加し,時には常用量の数十倍の量を服用する場合がある1,2).
▪高齢者の場合,下剤乱用というよりは下剤依存症といえる病態である.これは,医師の判断で下剤服用量が増加し,減量できなくなっている病態である.
▪どちらも,アントラキノン系下剤に関しては注意を要する.
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