特集 消化管治療薬 外来での使いどころ
領域別消化管治療薬の使い方
《下部消化管領域》
刺激性下剤
舟木 康
1
,
田村 泰弘
1
,
高橋 一世
2
,
小笠原 尚高
1
,
春日井 邦夫
1
Yasushi FUNAKI
1
,
Yasuhiro TAMURA
1
,
Kazuyo TAKAHASHI
2
,
Naotaka OGASAWARA
1
,
Kunio KASUGAI
1
1愛知医科大学消化管内科
2愛知医科大学病院薬剤部
キーワード:
慢性便秘症
,
刺激性下剤
,
浣腸
,
坐薬
Keyword:
慢性便秘症
,
刺激性下剤
,
浣腸
,
坐薬
pp.273-276
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_273
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Summary
▪刺激性下剤には,外用薬である坐薬,浣腸と内服薬がある.
▪腸管蠕動を亢進させて,排便を促す薬剤である.
▪生活習慣や浸透圧性下剤の内服治療で,効果不十分な場合に投与が考慮される.
▪あくまでも頓用または短期間の投与で使用すべきであり,長期濫用は避ける.
▪長期間の投与で耐性や習慣性などの不可逆性の慢性便秘症に移行する可能性がある.
▪便秘に対する坐薬には,重曹坐薬とビサコジル坐薬がある.
▪浣腸には50%グリセリンが使用される.
▪坐薬,浣腸ともに腸穿孔の疑い,腸の高度狭窄,大腸手術直後,中毒性巨大結腸,妊婦などでは禁忌ないし要注意である.
▪坐薬,浣腸は臥位での注入(挿入)を原則とする.立位前屈での使用は直腸壁穿孔の偶発症を起こす可能性がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018