Laboratory Practice 血液:末梢血血液像における鑑別困難な血球・2
異型リンパ球
常名 政弘
1
,
東 克巳
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.128-132
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100343
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
末梢血液像で鑑別困難な血球の一つとして異型リンパ球が挙げられる.リンパ球は抗原刺激を受けると核小体を発現してリボゾームRNAを合成し細胞が大きくなって細胞分裂を行い,サイトカインや免疫グロブリンを産生する1).また刺激を受けたリンパ球は普通染色で大型の塩基性の強い異型リンパ球として観察される.しかし末梢血液像に見られるリンパ球はさまざまな形態を示し,正常なものから典型的な異型リンパ球として観察され,どこまでを異型リンパ球とするのか判別困難な場合も少なくない.一方,末梢血液像に出現するリンパ系細胞には悪性リンパ腫などの腫瘍細胞も認められ,これらを鑑別することも非常に重要である.また末梢血液像を観察するうえで塗抹標本作製上の諸条件による影響や患者の年齢なども考慮する必要がある2~5).
今回は異型リンパ球鑑別のポイントについて紹介する.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.