特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第4章 膠原病・リウマチ・アレルギー
自己免疫疾患に対するtocilizumab単独療法の可能性:tocilizumabはステロイドに代わり得る存在になり得るか?
酒井 亮太
1
,
天野 宏一
1
1埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科
キーワード:
tocilizumab
,
ANCA関連血管炎
,
顕微鏡的多発血管炎
,
ステロイド
,
IL-6
Keyword:
tocilizumab
,
ANCA関連血管炎
,
顕微鏡的多発血管炎
,
ステロイド
,
IL-6
pp.486-489
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_486
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Summary
・われわれは関節リウマチ(RA)を合併した顕微鏡的多発血管炎(MPA)患者にステロイド(CS)を用いずにtocilizumab(TCZ:IL-6阻害薬)単独で寛解を達成した患者を経験した.
・倫理委員会の承認を経て,MPA,巨細胞性動脈炎,高安動脈炎,リウマチ性多発筋痛症に対してTCZ単独治療を試みる検討を行った.
・CSを用いた既存の標準治療と比較すれば有用性について劣るものの,十分な忍容性は保たれ,TCZ中止後,無治療での再燃率は低かった.
・CSに代わることは現時点では不可能であるが,とくに高齢者や基礎疾患を有した患者では,代替治療の位置づけや中等量~少量のCSにTCZを併用してCSを軽減し,大量CSに起因する副作用を回避できる可能性は残り,今後のさらなる症例の蓄積と検討を要する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020