特集 内科医として知っておくべき非がん疾患の手術
トピックス
てんかんの手術療法
田村 健太郎
1
1奈良県立医科大学脳神経外科
キーワード:
てんかん焦点切除あるいは離断術
,
海馬多切術
,
脳梁離断術
,
迷走神経刺激療法
Keyword:
てんかん焦点切除あるいは離断術
,
海馬多切術
,
脳梁離断術
,
迷走神経刺激療法
pp.1239-1242
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_1239
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Summary
▪適切に選択された2種類以上の抗てんかん薬で単独あるいは併用療法が行われても,発作が継続した一定期間(1年以上)抑制されないてんかんを薬剤抵抗性てんかんとよぶ.さらなる薬物治療を継続しても発作寛解が得られない可能性が高く,外科治療の適応を検討する必要がある.
▪すべての薬剤抵抗性てんかん患者が根治的外科治療あるいは緩和的外科治療の適応となる.
▪罹病期間が長いほど,外科治療成績は不良となる.
▪海馬硬化を伴う側頭葉てんかんの外科治療は,ランダム化比較試験にて,薬物治療より発作寛解率が高いことが示されている.
▪記憶機能温存のために海馬多切術が開発されている.
▪MRIで病変が描出されない側頭葉外てんかん患者の術後発作成績はわるい.
▪緩和的外科治療には,脳梁離断術と迷走神経刺激療法があり,前者は転倒発作を有する症候性全般てんかんに著効する.後者は頭蓋内手術の適応にならないすべての患者に有効である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020