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重症熱性血小板減少症候群
福士 秀悦
1
,
西條 政幸
1国立感染症研究所 ウイルス第一部
キーワード:
ブニヤウイルス科感染症
,
RT-PCR法
,
中国
,
Haemaphysalis longicornis
,
SFTSウイルス
Keyword:
Bunyaviridae Infections
,
China
,
Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
pp.822-826
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014082387
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2009年に中国湖北省と河南省の山岳地域の住民の間で,発熱や消化器症状を呈し,末梢血液検査では血小板減少と白血球減少を伴う原因不明の疾患の流行が報告された1).当初,Anaplasma phagocytophilumなどの細菌感染による顆粒球アナプラズマ症が疑われたが,患者の血液からはアナプラズマの遺伝子や特異的な抗体は検出されず,原因は不明であった.しかし,中国疾病対策センターや河南省疾病対策センターの研究者らにより前向きな原因究明のための調査研究が開始された.患者末梢血よりウイルス培養が試みられ,比較的多くの患者の血液からブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルスが分離され,しかもそれがダニ媒介性ウイルスであることが報告された.その疾患を重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome,SFTS)と,SFTSの原因ウイルスをSFTSウイルス(SFTSV)と命名された.(「はじめに」より)
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