特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第3章 耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科領域のIgG4関連疾患
高野 賢一
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科
pp.1845-1847
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1845
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
IgG4関連疾患とは
IgG4関連疾患は,高IgG4血症および腫大した罹患臓器への著明なIgG4陽性形質細胞浸潤および線維化を特徴とする,比較的新しい全身性・慢性炎症性疾患である1).耳鼻咽喉科医にとって馴染み深かったMikulicz病やKüttner腫瘍と呼ばれていた唾液腺疾患が,今日ではIgG4関連涙腺・唾液腺炎として包含されている.本疾患が提唱されたころは,比較的まれな疾患であるとも考えられていたが,臨床医の間でその認知度拡大に伴い各領域からの報告例も増加し,現在では日常診療でも比較的遭遇することが多い疾患の一つになっている.本疾患は全身の諸臓器に病変形成が認められるため,内科や耳鼻咽喉科をはじめ,複数の診療科が診断や治療に関与している.内科医にとってもすでによく知られた疾患ではあるが,本稿では耳鼻咽喉科の立場から頭頸部領域におけるIgG4関連疾患,とくにIgG4関連涙腺・唾液腺炎の臨床について診断ポイントを中心に概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019