特集 緊急受診してくる呼吸器疾患―「息が苦しい」という患者が来院したとき,どのように対応できますか?
Overview
急性期の症状を認める呼吸器疾患患者の病歴聴取・診察所見と鑑別診断
喜舎場 朝雄
1
1沖縄県立中部病院呼吸器内科
キーワード:
時間経過
,
関連症状
,
視診
,
頸部
Keyword:
時間経過
,
関連症状
,
視診
,
頸部
pp.15-18
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_15
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Summary
▪患者の主訴がどれくらいの時間をかけてきた症状かを把握する.
▪感染症や閉塞性肺疾患では1週間以内の経過を急性と考える1).
▪びまん性肺疾患では1ヵ月以内の経過を急性とする1).
▪うっ血性心不全は急性の経過をたどる重要な鑑別疾患である.
▪主な鑑別疾患を想起したら関連する代表的な症状の有無を確認すべきである2).
▪呼吸困難が主訴の患者では前傾か後傾かで,肺か心臓かの鑑別が可能である.
▪身体診察では頸部の静脈の張り方,呼吸補助筋に着目する3).
▪胸部と腹部の動きの連動をみたり,胸郭の動きに左右差がないかにも注目する.
▪聴診では心音・呼吸音のどちらに焦点を当てるかを意識して最強点を探す.
▪下腿浮腫では足背優位か足首優位かも意識して確認する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019