Japanese
English
特集 精神疾患回復の時間経過を見通す
解離症—治療における時間経過
Dissociative Disorders : Time Course in Therapy
平島 奈津子
1
Natsuko Hirashima
1
1国際医療福祉大学三田病院精神科
1Department of Psychiatry, International University of Health and Welfare Mita Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
解離症
,
dissociative disorder
,
時間経過
,
time course
,
診断
,
diagnosis
,
トラウマに焦点づけられた段階的治療
,
staged trauma-focused therapy
Keyword:
解離症
,
dissociative disorder
,
時間経過
,
time course
,
診断
,
diagnosis
,
トラウマに焦点づけられた段階的治療
,
staged trauma-focused therapy
pp.1506-1513
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207121
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抄録
解離症は,その発症に患者自身がしばらく気づかない場合があり,正確な発症時期を同定することが難しい疾病である。そのため,治療開始まで数年以上かかることがある。
また,解離症は異種性を孕んだスペクトラムであり,その治療研究は限定されている。下位診断の中では解離性同一症の治療研究が比較的盛んであり,トラウマに焦点づけられた段階的治療の時間経過に関する研究も報告されている。それらの先行研究では,解離性同一症は,治療が適切であれば,その時間経過につれて改善していくことが示された。しかし,その時間経過は,併存症や再被害体験,ストレス因などに影響されるため,治療の時間経過は一概に言えないことが明らかになった。
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