特集 神経疾患の現在とこれから
研究の最前線
稀少末梢神経疾患における新規治療開発:Guillan-Barré症候群とPOEMS症候群
三澤 園子
1
1千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学
キーワード:
Guillan-Barré症候群
,
POEMS症候群
,
ドラッグリポジショニング
,
免疫調整薬
,
抗補体モノクローナル抗体
Keyword:
Guillan-Barré症候群
,
POEMS症候群
,
ドラッグリポジショニング
,
免疫調整薬
,
抗補体モノクローナル抗体
pp.1329-1331
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1329
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Summary
▪Guillan-Barré症候群(GBS)は,先行感染後に急速に四肢麻痺が進行する免疫介在性末梢神経疾患である.
▪GBSの標準治療は,免疫グロブリンと血漿浄化療法である.しかし,約2割が1年後も歩行に介助が必要である.
▪GBSの新規治療として,抗補体モノクローナル抗体を用いた臨床試験が行われ,有効性がある可能性が示された.
▪POEMS症候群は,形質細胞のモノクローナルな増殖を基盤とし,多発ニューロパチーをはじめとする多彩な症状を呈する内科疾患である.適切な治療がなされない場合の機能・生命予後は不良である.
▪POEMS症候群では,骨髄腫治療の応用が奏効しつつある.本邦において,免疫調整薬(thalidomide)のランダム化群間比較試験が実施され,有効性が示された.
© Nankodo Co., Ltd., 2019