特集 肝臓病学の未来―ウイルス性肝炎から脂肪肝と肝がんの時代へ
NAFLD/NASH
腸内細菌は脂肪肝に影響するのか
阿部 雅則
1
1愛媛大学大学院消化器・内分泌・代謝内科学
キーワード:
腸内細菌叢
,
腸管バリア機能
,
腸内細菌産物
,
エンドトキシン
Keyword:
腸内細菌叢
,
腸管バリア機能
,
腸内細菌産物
,
エンドトキシン
pp.1151-1153
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1151
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Summary
▪肝臓は門脈血流を通じて腸管と直接的につながっており,腸内細菌の質や量,腸内代謝産物などの影響を強く受ける.
▪非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の病態形成や進展には腸内環境が関与していることが動物モデル,臨床例の解析で明らかになってきた.
▪とくに,腸内細菌叢の質的量的異常,腸管壁バリア機構の破綻,腸内細菌産物の変化,肝臓におけるエンドトキシン応答性亢進が重要な役割を果たしていると考えられている.
▪最近の分子生物学的手法の進歩により,腸内細菌をターゲットとした基盤となる研究成果が集積され,治療への応用が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2019