特集 肝臓病学の未来―ウイルス性肝炎から脂肪肝と肝がんの時代へ
B型肝炎
一般診療で見落とされやすいHBV再活性化現象
飯尾 悦子
1
,
田中 靖人
2
1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学
2名古屋市立大学大学院医学研究科病態医科学肝疾患センター
キーワード:
B型肝炎ウイルス
,
HBV再活性化
,
de novo B型肝炎
,
HBV DNAモニタリング
Keyword:
B型肝炎ウイルス
,
HBV再活性化
,
de novo B型肝炎
,
HBV DNAモニタリング
pp.1111-1115
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1111
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Summary
▪B型肝炎ウイルス(HBV)感染者または既往感染者において化学療法・免疫抑制療法によりHBVが再増殖して肝炎を発症するHBV再活性化は,通常の肝炎に比べ重症化しやすく,肝炎発症後に抗ウイルス薬を開始してもときに致死的になる.
▪現在,日本肝臓学会から「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン」が発表されているが,化学療法・免疫抑制療法開始前にHBs抗原,HBc抗体,HBs抗体を測定し,HBs抗原陽性例では核酸アナログの予防投与を行う.
▪HBV既往感染(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性and/or HBs抗体陽性)においてもHBV再活性化が起こりうるため,定期的にHBV DNAモニタリングを行い,定量された時点で核酸アナログを投与する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019