特集 肝臓病学の未来―ウイルス性肝炎から脂肪肝と肝がんの時代へ
Overview:肝疾患の動向
肝がん背景の動向:増加する非B非C肝がん
建石 良介
1
,
小池 和彦
2
1東京大学大学院医学系研究科がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン・消化器内科学
2東京大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
糖尿病
,
脂質異常症
,
脂肪肝
Keyword:
糖尿病
,
脂質異常症
,
脂肪肝
pp.1053-1058
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1053
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Summary
▪本邦のウイルス肝炎を背景としない非B非C肝がんの割合は増加の一途をたどっており,割合のみでなく肝がん全体の罹患率から計算した発生件数も増加していることが明らかとなった.
▪これまでの調査から,ウイルス肝炎合併肝がんと比較して肥満・生活習慣病の合併が高頻度に認められることがわかっているが,依然として効率的なサーベイランスが行われておらず,半数以上が進行した状態で診断されている.
▪脂肪肝は,病態の進展に伴って減少することが判明しており,脂肪肝を高リスク群として設定することは得策ではないが,糖尿病やFIB-4 indexを用いた囲い込み方策には検討の価値がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019