Japanese
English
投稿 症例
両側声帯麻痺を契機に診断された筋萎縮性側索硬化症の1例
A case of amyotrophic lateral sclerosis presenting with bilateral vocal cord paralysis.
田尻 智子
1
,
藤田 修治
1
,
北 英夫
1
T. Tajiri
1
,
S. Fujita
1
,
H. Kita
1
1高槻赤十字病院
pp.875-879
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_875
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は じ め に 両側声帯麻痺は全声帯麻痺の10%前後を占め1,2),麻痺声帯の固定位置により,呼吸困難・喘鳴・嗄声・嚥下困難などの症状を呈し,呼吸器内科医が相談を受けることも少なくない.その原因には,甲状腺・食道・心大血管などの手術に合併する術後性麻痺と,特発性・外傷・腫瘍の神経浸潤・脳血管障害・神経変性疾患・サルコイドーシスなどに合併する非術後性麻痺がある.神経変性疾患に合併する両側声帯麻痺については多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)の報告が多く,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)の報告は限られる.われわれは,両側声帯麻痺を契機に診断されたALSのまれな1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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