特集 輸血2018―限りある資源を安全に,有効に活用するために
輸血に伴う急性の有害事象
急性溶血性輸血副作用
長谷川 雄一
1,2
Yuichi HASEGAWA
1,2
1筑波大学附属病院輸血部
2筑波大学医学医療系
キーワード:
ABO不適合輸血
,
非免疫性溶血
Keyword:
ABO不適合輸血
,
非免疫性溶血
pp.755-759
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_755
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Summary
▪急性溶血性輸血副作用は,不適合輸血に代表される免疫機序による溶血と,物理的破壊で代表される非免疫機序による溶血に分けられる.
▪患者血漿中の抗体により輸血された赤血球が破壊されるmajorミスマッチの輸血が問題視されているが,新鮮凍結血漿ならびに濃厚血小板輸血でも血漿中の抗体価が高い場合,溶血は生じる.溶血で生じた血漿内ヘモグロビンならびに補体の活性化から全身性炎症反応症候群(SIRS・DIC)が生じ,ショック・多臓器不全が発生する.
▪治療は,補液・ショック対応,腎保護,DIC治療を中心に行うが,それ以前に発症させない医療者の注意が重要である.
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