特集 もっとうまくいく! 病診連携の「伝え方」―わかりやすく伝えるための診療情報提供書作成のコツ
第Ⅱ章 <診療科別>コンサルトのポイント
I.アレルギー・リウマチ科へコンサルト
1.薬物アレルギー(疑い)
粒来 崇博
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院呼吸器内科
pp.645-647
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_645
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薬剤アレルギーは,被疑薬が体内に入ることでアレルギー反応を起こす疾患で,アナフィラキシーのほか,薬疹,薬剤性の肝障害や肺炎なども起こしうる.本稿では,I型の即時反応として重篤化しやすいアナフィラキシーを中心に概説する.紹介例にあるのは典型的なペニシリンアレルギーによるアナフィラキシーである.アナフィラキシーは,薬剤投与によりI型アレルギー反応が惹起され,皮膚の瘙痒感や発赤(皮膚症状),喉頭の絞扼感,喘鳴(呼吸器症状),立ちくらみや血圧低下(循環器症状),腹痛発作や下痢(腹部症状)といった全身症状が急激に出現する.被疑薬の中止と回避で予防は可能であるが,抗菌薬や非ステロイド系消炎鎮痛薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)など,汎用されやすい薬剤や投与機会が多い薬剤,投薬しないことの不利益が大きい薬剤については,適切に回避するための調査を必要とする.
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