特集 もっとうまくいく! 病診連携の「伝え方」―わかりやすく伝えるための診療情報提供書作成のコツ
第Ⅱ章 <診療科別>コンサルトのポイント
B.循環器科へコンサルト
1.急性心筋梗塞(疑い)
山本 慶
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科
pp.505-507
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_505
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急性心筋梗塞とは冠動脈が閉塞し心筋壊死が起こる疾患で,冠動脈のプラーク破綻が原因で起こる.高血圧,脂質異常症,糖尿病,喫煙といった動脈硬化因子を複数有する患者の発症リスクは高い.多くの場合は強い胸痛を伴うが,背部痛,歯痛,心窩部痛など非典型的な症状を訴えたり,また糖尿病患者では無症状の場合もある.心筋梗塞は心電図のST変化によりST上昇型心筋梗塞(ST elevated myocardial infarction:STEMI)と非ST上昇型心筋梗塞(non-ST elevated myocardial infarction:NSTEMI)に分類される.とくにSTEMIは経時的に心筋壊死が進んでいるため,治療までの時間の短縮が重要である.発症から治療までの時間が長いと予後が悪くなるといわれており1),早期診断・治療が重要となってくる.診断は冠動脈造影で冠動脈病変が指摘されることで確定診断される.多くの場合はそのままカテーテル治療(経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:PCI))となるが,病変・性状によっては薬物療法のみで経過観察したり冠動脈バイパス術となる場合もある.
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