特集 抗菌薬選択の実際―AMR(薬剤耐性)対策は日々の診療から
感染臓器・器官と起因菌を整理し,抗菌薬治療を考える
《市中感染症》
腸管感染症
阪本 直也
1
Naoya SAKAMOTO
1
1都立墨東病院感染症科
キーワード:
細菌性腸管感染症
,
急性下痢症
Keyword:
細菌性腸管感染症
,
急性下痢症
pp.27-29
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_27
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Summary
▪腸管感染症は,一般診療では「急性胃腸炎」や「急性腸炎」という暫定的な診断で,抗菌薬の投与が行われているケースが多い.このなかには本来,抗菌薬の適応にならないウイルス性胃腸炎や非感染性腸炎も含まれていると考えられる.
▪臨床医は,急性下痢症の患者を診療する際には,患者の状態評価を行うと同時に詳細な問診を行い,患者の背景や曝露状況を考慮し鑑別診断に留意する必要がある.また,細菌性腸炎を疑った場合は,必要があれば便検査,便培養を行うなどし,補液などの支持療法を中心に行う.
▪抗菌薬投与が必要な症例は限られており,その見きわめを慎重に行う必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018