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Summary
▪1993年の医療法の改正において,療養型病床群が創設され,2000年の介護保険法の施行に伴い,「介護療養型医療施設」(介護療養病床)が位置づけられた.
▪2006年診療報酬改定において,療養病床の診療報酬体系について,気管切開や難病等の患者の疾患・状態に着目した「医療区分(1~3)」,食事・排泄等の患者の自立度に着目した「ADL区分(1~3)」による評価が導入された.
▪医療機能を内包した施設系サービスは,「介護医療院」の名称のもと,介護保険法にて生活施設としての機能重視を明確化するとともに,医療法上の医療提供施設とし,要介護高齢者の長期療養・生活施設とする.
▪介護医療院は,要介護者に対し,「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する機能を有する.
▪介護医療院は,単なる転換先の受け皿ではなく,住まいと生活を医療が支える新たなモデルとして創設され,2018年4月1日以降誕生する.生活施設の機能重視を明確化するとともに,医療提供施設として,要介護高齢者の長期療養・生活施設として,介護療養病床(療養機能強化型)相当のサービス(Ⅰ型)と老人保健施設相当以上のサービス(Ⅱ型)の2つのサービスが提供される.
▪新たに創設される介護医療院においては,利用者の尊厳の保持と自立支援を理念に掲げ,長期療養・生活施設を補完する在宅療養も支援するとともに,地域に貢献し地域に開かれた交流施設としての役割を担うことが期待される.
▪療養病床においても,ポストアキュート機能だけでなく軽症救急の入院即ちサブアキュート機能が期待されている.急性期後の患者に加え,在宅患者も支える慢性期治療病棟へと変貌していく方向にある.
▪厚生労働省「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ,2018年4月以降,看取りに関する指針を定めていることが要件化される.
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