特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅸ章 高齢者における薬剤使用の注意点
7.抗精神病薬
鈴木 裕介
1
Yusuke SUZUKI
1
1名古屋大学医学部附属病院 地域連携・患者相談センター
pp.939-942
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_939
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Summary
▪抗精神病薬は開発年代と作用機序によって定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬に分類される.
▪定型抗精神病薬は非定型抗精神病薬と比較して錐体外路症状や傾眠などを誘発しやすく,高齢者への使用はなるべく控えるべきである.
▪近年,非定型抗精神病薬が認知症性高齢者の呈するBPSDへの薬物的対応として適応外使用ながら処方されることが多くなっている.
▪認知症性高齢者のBPSDに対しては非薬物的介入を優先し,非定型抗精神病薬の使用に際しては,各薬剤の使用上の注意や安全性を十分考慮したうえで使用する.
▪高齢者に対する抗精神病薬の長期使用は死亡率の上昇や認知機能悪化との関連性が指摘されており,定期的に有効性を評価しつつ減薬や中止の検討を行うことが勧められる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018