特集 消化管治療薬 外来での使いどころ
領域別消化管治療薬の使い方
《上部消化管領域》
食道運動異常治療薬
栗林 志行
1,2
,
保坂 浩子
1
,
下山 康之
1
,
河村 修
1
,
草野 元康
1
Shiko KURIBAYASHI
1,2
,
Hiroko HOSAKA
1
,
Yasuyuki SHIMOYAMA
1
,
Osamu KAWAMURA
1
,
Motoyasu KUSANO
1
1群馬大学医学部附属病院内科診療センター消化器・肝臓内科
2群馬大学医学部附属病院臨床試験部
キーワード:
食道運動障害
,
平滑筋弛緩薬
,
消化管運動賦活薬
,
疼痛調節
Keyword:
食道運動障害
,
平滑筋弛緩薬
,
消化管運動賦活薬
,
疼痛調節
pp.237-240
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_237
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Summary
▪食道運動障害に対する薬物治療は,病態により異なる.
▪食道アカラシアやアカラシア以外の痙攣性の食道運動異常に対しては,平滑筋弛緩作用のある薬剤が選択される.
▪食道運動が低下した症例では胃食道逆流症が関与している症例が多く,酸分泌抑制薬が投与されることが多い.
▪食道運動が低下している症例に対して,食道運動を亢進させる目的には消化管運動賦活薬が投与されることがある.
▪食道運動障害では食道由来の非心臓性胸痛がみられることがあり,食道運動の改善ではなく,症状緩和目的に抗不安薬などのpain modulatorが使用されることもある.
▪いずれの場合も薬物療法で大きな改善が得られるケースは残念ながら多くない.
▪本邦ではほとんどの薬剤が保険適用を有していないことにも注意が必要である.
![](/cover/first?img=j_naika121_237.png)
© Nankodo Co., Ltd., 2018