特集 NAFLD/NASH診療のイノベーション―ガイドラインからパイプラインへ
NAFLD/NASH診療の今後の展望
遺伝子多型の測定がNAFLD/NASH診療をどう変えるか?
瀬古 裕也
1
,
山口 寛二
1
,
伊藤 義人
1
Yuya SEKO
1
,
Kanji YAMAGUCHI
1
,
Yoshito ITOH
1
1京都府立医科大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
GWAS
,
PNPLA3
,
TM6SF2
Keyword:
GWAS
,
PNPLA3
,
TM6SF2
pp.1357-1361
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1357
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Summary
▪NAFLD/NASHの病態は遺伝的素因と環境素因により影響を受ける.近年,網羅的に病態関連遺伝子を探索するゲノムワイド関連解析(GWAS)が多数行われた.
▪本邦で行われたGWASでは,PNPLA3遺伝子多型がNAFLDに最も関連のある遺伝子多型として同定されている.
▪PNPLA3のリスクアレルであるG保因者は肝の脂肪化,炎症,線維化だけではなく肝細胞がんのリスクを伴うことが報告されている.また海外からはTM6SF2遺伝子多型がNAFLD関連遺伝子であるだけではなく,脂質異常症や心疾患リスクに関与することが報告された.
▪GWAS以外にも横断研究よりNAFLD/NASHの発症,進展に寄与する遺伝子多型は多数報告されており病態解明のヒントになる可能性がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018