特集 咳、痰のみかた
咳と痰の治療のまとめ
喀痰による窒息とその対応
牧野 淳
1
Jun MAKINO
1
1横須賀市立うわまち病院集中治療部
キーワード:
喀痰の性状・産生量の変化
,
呼吸筋力低下
,
気道確保
Keyword:
喀痰の性状・産生量の変化
,
呼吸筋力低下
,
気道確保
pp.1139-1141
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1139
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Summary
▪喀痰による窒息は,気道感染や気管支喘息,閉塞性肺疾患による喀痰の性状・産生量の変化,あるいは長期臥床,脳卒中などによる呼吸筋力の低下などが原因となり,喀痰が中枢気道に閉塞して生じる.
▪予防的治療として,気管支拡張薬,高張食塩水ネブライザー,ステロイド,抗菌薬などの薬物療法に加え,胸部叩打法や体位ドレナージ,気管支鏡吸引,気管切開(輪状甲状膜切開)などの非薬物療法がある.
▪意識障害や気道開通が確認されない場合は,速やかな気管挿管が必要である.気管挿管が困難な場合は,気管支鏡下の挿管,輪状甲状膜切開などを検討する.輪状甲状膜切開の長期留置が予測される場合は,気管切開への移行を考慮する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018